Giovanni Luca Ciaffoni

Ariadne GPS

ユーザーマニュアル

Version 1.0.2 - 2012年9月18日

目次

初めに

Ariadne GPSがもたらすもの

Ariadne GPSは、iOSデバイスに搭載されている位置情報検知システムとマップサービス、およびVoiceOverの機能を使用し、視覚障害をお持ちの方の移動を支援します。
ナビゲーションアプリではありませんので、交差点毎に右折や左折などと案内してくれるものではありません。ですが、専用のナビゲーターなどと併用して便利にご利用頂くことが可能です。Ariadne GPSを使用して現在地を把握したり、事前に設定したお気に入り地点までの距離や方向を求めたり、地図を表示して周囲に何があるかを知ることが出来ます。以下の章で詳しくご紹介します。

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3つの主要な機能

Ariadne GPSには主要な機能が3つあります。それぞれが、街の名前や番地、主要な建造物などの情報を使用し、現在地や任意の地点における位置情報把握の手助けをします。

現在地を知る

アプリを使用して、現在地の情報を得ることが出来ます。マップサーバーへの問い合わせはボタンのクリックで行うことも出来ますし、任意の間隔で自動的に更新する事も可能です。VoiceOverにより読み上げられる情報は、手動で問い合わせたか、自動的に更新されたかにより異なります。自動的に更新された場合、一つ前に読み上げた住所と比較し、変更のあった箇所しか読み上げられません。例えばある地域の3丁目15番38号から39号に移動した場合、「39号」しか読み上げません。手動で更新した場合は、全ての情報を読み上げます(郵便番号や都道府県名など。項目はアプリの設定によります)。
これら機能の使い方は「ホーム」タブの章で説明します。

お気に入り

Ariadne GPSの最も便利な機能の一つは、バス停や駅、お店など任意の場所を「お気に入り」として保存しておき、近づいたときに通知するというものです。
「お気に入りに追加」ボタンを押すだけで、現在地をお気に入りに追加することが出来ます。インターネットに接続されていれば、自動的に住所が入力されます。ネットに接続できない場合は緯度と経度の座標のみが入力されます。ユーザーは任意で名称などを入力できます。
お気に入りに接近した際の通知方法は細かく設定が可能で、通知する距離や警告音、VoiceOverの有無などを変更出来ます(詳細は「お気に入りの管理」をご覧ください)。お気に入りの情報は他のユーザーと共有することも可能です。

マップの探索

マップ探索機能はこのアプリならではの、画期的な機能です。マップ画面をユーザーが指でなぞると、触れた箇所の住所や道路の名前などを音声で読み上げます(マップをズームアウトすると県名や国名を読み上げます)。これにより、住所の位置関係を推測することが出来るでしょう。また川や海に触れれば水の音で、道路に触れれば2種類の効果音でそれを通知します。詳細は「マップ表示について」の章をご覧ください。

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インターフェース

タブ

画面の一番下にはタブバーがあります。左から、ホーム、お気に入りリスト、設定、情報です。各機能の詳細につきましてはそれぞれの章を参照してください。

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「ホーム」画面

ホーム画面はアプリのメインの画面です。この画面でユーザーは主要な機能のオン/オフを行ったり、移動の際に変化する各値を確認します。ホーム画面にある各ボタンの機能の説明は以下の通りです。最上部には3つのボタンがあり、左から「ここはどこ」ボタン、「モニター開始/停止」ボタン、「お気に入りに追加」ボタンです。

「ここはどこ」ボタンと「モニター開始/停止」ボタン

「ここはどこ」ボタンを押すと、マップサーバーに問い合わせを行い、現在地の情報を取得します。デバイスが取得したGPS座標を元に問い合わせを行います。マップサーバーからは現在地の郵便番号や市区町村名、番地などの情報が返され、この情報がVoiceOverで読み上げられます。読み上げる項目は設定タブにある「モニター」の設定で変更出来ます。「モニター開始/停止」はトグルになっています。モニターを開始すると、予め指定された間隔で自動的にマップサーバーへの問い合わせを行います。マップサーバーから返答を得ると、一つ前の情報と比較し、変更のあった箇所のみを読み上げます。例えばある道路に沿って歩いているとしましょう。多くの場合、変更があるのは○番地○号の部分のみなので、その部分のみが読み上げられます。違う町に入れば、町名も読み上げられます。違う県に入ったときや、違う郵便番号の範囲に入ったときも、同様に読み上げられます。問い合わせを行うタイミングは一定ではなく、以下の要素に影響を受けます。基本は、ユーザーが設定した「問い合わせ間隔」(設定タブのモニター内)です。実際の問い合わせ間隔はデバイスの状態やマップサーバーの応答速度に影響を受けるため、この数値は厳密な物ではありません。また、問い合わせのタイミングはユーザーの移動状況によっても変わります。ユーザーが停止している場合、住所の変更もないため、マップサーバーへの問い合わせは行われません。ある一定数以上の問い合わせを行うと、マップサーバーからの返答が遅れる可能性があります。その場合、設定に応じてAriadne GPSはユーザーに通知を出します(設定タブ、モニター内の「マップサーバーの状態」)。この設定が「音声のみ」または「画面と音声」になっていれば、サーバーの状態が不安定になった時に音声で通知してくれます。

「お気に入りに追加」ボタン

画面上段、3つ目のボタンは「お気に入りに追加」ボタンです。このボタンを使用すると、現在地を簡単にお気に入りとして登録することが可能です。ただし、有効なGPS座標が得られている必要があります。ボタンを押すと画面が切り替わり、住所の各項目の欄と、ユーザーが自由に入力できる名称欄が表示されます。インターネットに接続されていれば、自動的に住所が入力されます。ネットに接続できない場合は緯度と経度の座標のみが入力され、その他の情報はユーザーが任意で入力することになります。何も入力しなかった場合、GPSの緯度と経度のみが保存され、名称は「無題」として保存されます。バス停や駅などで迅速にお気に入りを登録したい場合、ホーム画面でこの「お気に入りに追加」ボタンを押し、そのまま「保存」ボタンを押すだけです。保存ボタンには右フリック一回でフォーカスが移ります。名称は後から修正することが出来ます。
なお、このお気に入り作成画面では、取得したGPS座標などと共に、「水平精度」(画面上ではHAと表記)という値が表示されます。この値が小さいほど、GPS座標の精度が高い事を表します。この値が大きい場合、その位置情報は正確で無いため、お気に入りとして保存するには不都合かも知れません。お気に入りに保存されるGPS座標は、ユーザーが「保存」ボタンを押したタイミングで取得された座標になります。「お気に入りに追加」ボタンを押したときの座標では無いことに注意してください。ですので、例えば電車での移動中など、予め「お気に入りに追加」ボタンを押して名称を入力しておき、目的地に到着した時点で保存ボタンを押せば、ジャストなタイミングでGPS座標を取得し、保存することが可能です。

最寄りまたは目的地に設定中のお気に入り表示欄

画面最上部3つのボタンのすぐ下には、2かける2のマス目状に、4つの欄があります。左上の欄には、最寄りのお気に入り、もしくは目的地に設定中のお気に入りが表示されます。お気に入りが一つでも登録されていれば、通常はこの欄は現在地から最も近くにあるお気に入りを表示します。該当するお気に入りの名称、もしくは住所が表示されます。どちらも空欄な場合は「無題」として表示されます。お気に入りが複数登録されている場合、最寄りではないお気に入りを目的地としたい場合もあるでしょう。その場合、「お気に入りの詳細」画面から、「目的地に設定」する事で、監視する対象を変更することが出来ます。詳しくは「お気に入りリスト」の章をご覧ください。
明示的に設定したお気に入りがある場合、この欄は「最寄りのお気に入り」の代わりに「現在の目的地」を表示します。

距離と方向表示欄

その隣、右上の欄は、左に表示されたお気に入りまでの距離と方向を表示します。
ユーザーが移動していると、この欄は随時更新されます。距離の単位は設定によりマイル表示にする事も可能です(設定タブの「単位」)。方向の表示は初期設定ではアナログ時計の文字盤を用いたクロックポジション表記ですが、設定により角度表示にも変更出来ます(設定タブ、「お気に入りの管理」にある「クロックポジションの使用」)。
この際基準となる方向には、デバイスのコンパスを使用した物と、GPS座標の推移から取得した移動の方向の2種類があります。これはAriadne GPSの挙動を理解する上で大変重要な部分になります。「コンパスと移動の方向について」の章を是非参照してください。

移動の方向表示欄

4つのマス目の左下は、移動の方向を表示します。移動の方向が取得できている間は方向を表示し(360度式)、移動が検知できず取得できないときは「無効」となります。

コンパス表示欄

右下の欄は、デバイスのコンパスから得た方向を表示します。デバイスに内蔵の電子コンパスを使用していますので、デバイスの向きが変われば表示される方向も変わります。VoiceOverがオンの状態でこの欄をタッチし、そのままデバイスの向きを変えると数値が更新されることが確認できます。

お気に入り地点接近表示欄

移動の方向とコンパス表示の下には、お気に入り地点接近表示欄があります。通常この欄は空欄です。最寄りのお気に入り、または目的地に設定したお気に入りに近づいたときにだけ、データが表示されます。近づいたと判断する距離は、設定で変更可能です(設定タブ、お気に入りの管理内にある「到着通知を有効にする半径」)。この距離は10メートルから5キロメートルの範囲で設定できます。例えば電車に乗っていて、目的の駅が近づいたら知らせてもらいたいとしましょう。この様な場合はこの半径を2キロ以上に設定しておけば、早めに通知を受け、降りる準備の時間をとることが出来ます。
その他のケースでは、より小さい半径を選択した方が良いかも知れません。ですが、小さすぎる半径(20メートル以下)はお勧めしません。GPSドリフトと呼ばれる現象のため、GPSの情報には常に「ゆれ」が存在します。このため、半径が小さ過ぎると、実際その範囲にいるにもかかわらず通知されない可能性が高くなります。

設定された半径内に入ると、お気に入りの名称と距離、方向がこの欄に表示されます。この際基準となる方向には、デバイスのコンパスを使用した物と、GPS座標の推移から取得した移動の方向の2種類があります。これはAriadne GPSの挙動を理解する上で大変重要な部分になります。「コンパスと移動の方向について」の章を是非参照してください。

設定により、この通知は音声で知らせることも出来ます。例えば「残りおよそ150メートルで、オフィス付近です。2時方向GPS」のように読み上げられます。またバイブや警告音で通知したり、通知を繰り返す回数や頻度も自由に設定可能です(設定タブ、お気に入りの管理)。詳細は「設定」タブの章をご覧ください。

住所表示欄

その下、画面の中央には住所表示欄があります。ここに表示される住所は常に最新とは限りません。「ここはどこ」ボタンが押されると、マップサーバーから受信した現在地の住所を表示します。モニター機能を開始していれば、自動的にマップサーバーへの問い合わせが行われますので、そのタイミングで住所表示も更新されます。モニター機能がオフの場合、「ここはどこ」ボタンが押されるまで、前回取得した住所が維持されます。

その他情報ボタン

住所表示欄の下には、7つの小さなボタンが2段にわたって配置されています。1段目に4つ、2段目に3つのボタンです。1段目、左から順に説明していきます。

  1. 一番左は速度です。GPS座標の推移から計算した、移動速度を表示します。移動が確認できない場合は「無効」となります。移動が遅すぎると検知されない事があります。
  2. 左から2番目は水平精度です。GPSの精度を表します。この数値が5から20以内であれば良好と言えるでしょう。GPSの誤差の半径と見なすことが出来ます。GPSの性質上、悪天候下では精度が下がります(数値が大きくなります)。この数値は、現在表示されている住所や距離などがどの程度正確なのかを判断する指標となります。数値が低いほど精度が高い事を意味します。
  3. 左から3つめのボタンは現在地の海抜を表示します。
  4. 左から4つめのボタンは垂直精度です。海抜の誤差を表します。数値が低いほど精度が高い事を意味します。

2段目、3つのボタンを左から説明します。

  1. 一番左はネットワーク状況です。ネットワーク接続が利用可能か否かを表示します。利用可能な場合、携帯回線かWifiかを通知します。このアプリはネットワーク接続が無くとも利用可能ですが、マップサーバーへの問い合わせが行えませんので、住所や番地などの情報は得られなくなります。ネットワーク接続が無い場合も、GPSが利用可能であれば、お気に入りまでの距離や方向の通知は可能です。
  2. 左から2つめのボタンは、位置情報サービス(GPSなど)が利用可能か否かを通知します。位置情報サービスが利用不可能な場合、ユーザーの現在地に基づく機能、「ここはどこ」ボタンやモニター機能、お気に入りまでの距離などは信頼しないでください。位置情報サービスが利用できない場合も、ネットワーク接続があればマップ探索機能は使用できます。が、現在地を特定できないため、「周囲を検索」機能が実際の周囲を示さない可能性があります。
  3. 左から3つめのボタンはマップサーバーの状態を表します。マップサーバーからの応答が無い場合、「ここはどこ」機能やモニター機能、マップ探索など、住所を使用する機能は信頼しないでください。その場合も、GPSが利用可能であれば、お気に入りまでの距離や方向の通知は可能です。

マップ表示ボタン

7つのボタンの下には、左右に2つのマップ表示ボタンがあります。左のボタンを押すと、現在地周辺のマップが表示されます。右のボタンを押すと表示したい地域名を指定するためのテキスト入力欄が表示されます。詳細は「マップ表示について」の章をご覧ください。

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「お気に入りリスト」タブ

お気に入りリスト

最初の画面には、保存されているお気に入りのリストが表示されます。ユーザー自身が保存したお気に入りだけでなく、何らかの方法でインポートしたお気に入りもここに表示されます。リストにはお気に入りの名称の他、現在地からの距離と方向が併記されます。この際基準となる方向には、デバイスのコンパスを使用した物と、GPS座標の推移から取得した移動の方向の2種類があります。詳しくは「コンパスと移動の方向について」の章を参照してください。画面上部には検索フィールドがあり、お気に入りの名称や住所の一部で絞り込みを行うことが出来ます。
リストの並び順は、距離の近い順です。現在地に最も近いお気に入りがリストのトップに表示され、最も遠いものが最後に来ます。ただし、ユーザーが移動している場合、この並び順は自動で更新されません。リストの並び順を更新したい場合は、リストを表示している画面でデバイスを振ってください。更新されれば特殊な効果音が鳴ります。
リストには通常モードと編集モードの2つの状態があります。通常モードで画面右上にあるオプションボタンを押すと、「お気に入りの管理」というアクションシートが表示されます。ここには「お気に入りを作成」と「Loadstoneデータの読み込み」と「キャンセル」の選択肢があります。

  1. 「お気に入りを作成」を押すと、全て未記入のお気に入りフォームが表示されます。緯度・経度の情報を手動で入力したい場合に使用します。緯度・経度を数値で入力後、画面下部の「住所の更新」ボタンを押せば、マップサーバーから取得した住所が残りのフィールドに記入されます。なお、南緯と西経を入力する際は頭にマイナスを付けてください。保存するには、右上の保存ボタンを押してください。
  2. 「Loadstoneデータの読み込み」機能を使うと、Loadstone GPSアプリケーションのユーザーが、そのデータをAriadne GPSに取り込むことが出来ます。Loadstoneから書き出したファイルをls.txtというファイル名に変更してから、iTunesを使用しAriadne GPSのドキュメントフォルダにアップロードします。その後このオプションを使うと、読み込みが行われます。場合によっては、読み込む前にファイルの修正が必要になる事があります。

編集モードに移行するには、画面左上にある「編集」ボタンをタップします。編集モードでは、お気に入りの複数選択が可能になります。一つまたは複数の項目を選択し、右上のオプションボタンを押すと、以下の4つの選択肢とキャンセルボタンが表示されます。

  1. 「選択項目を削除:個数」
  2. 「選択項目を共有:個数」
  3. 「全て削除」
  4. 「全て共有」

いずれかを選択すると、本当に実行して良いか確認を求める画面が表示されます。
削除機能については名前の通りです。選択した項目、または全ての項目をお気に入りから削除します。

共有機能

共有機能を使うと、選択したお気に入りまたは全てのお気に入りを、メール添付で共有することが出来ます。共有を行うとメールの編集画面が開き、件名と本文が自動で入力されます(変更しても構いません)。また、xmlファイルが添付されます。メールの宛先を入力し、送信してください。Ariadne GPSからの添付ファイル(.ardnの拡張子が付いています)を受信したユーザーは、添付ファイルをAriadne GPSで開いてください。開き方は、添付ファイルをタップで開き、右上のアクションボタンから「”Ariadne GPS”で開く」を選ぶだけです。Ariadne GPSが開き、ファイルに保存されているお気に入り地点のリストが表示されます。読み込みたくない項目がある場合は、項目をタップして選択状態にしてください。選択された項目は取り込まれません。
「読み込み」ボタンを押すと、読み込みを行います。完了するとメッセージが表示され、読み込んだ数やその他の詳細を表示します。

お気に入りの詳細

お気に入りリストにあるいずれかの項目をタップして開くと、「お気に入りの詳細」画面に移動します。各表示欄の詳細は、上から順に以下の通りです。

  1. 目的地として設定されているか否か。右上のオプションを開くと、現在表示しているお気に入りを目的地に設定、または解除する事が出来ます。目的地は常に1つしか選べませんので、他のお気に入りが目的地に設定されている最中に「目的地に設定」を行うと、以前の目的地は自動的に解除されます。
  2. その下の行は名称です。お気に入りに対してユーザーが入力した名称が表示されます。
  3. その下は住所です。お気に入り保存時に、マップサーバーから取得された住所情報が表示されます。
  4. その下は距離と方向を示します(この際基準となる方向には、デバイスのコンパスを使用した物と、GPS座標の推移から取得した移動の方向の2種類があります)。詳しくは「コンパスと移動の方向について」の章を参照してください。
  5. その下の行は水平精度です。このお気に入りを保存した時点での、GPS座標の「ズレ」を表します。数値が小さいほど精度が高い事を意味します。この数値が大きすぎる場合は、作成し直した方が良いかも知れません。
  6. 一番下の行は緯度と経度です。

この画面で、直接情報を編集することは出来ません。編集やその他のアクションを実行するには、画面右上にある「オプション」ボタンを押します。選択可能なアクションは以下の5つです。

  1. 「目的地に設定」:目的地として選択されたお気に入りはホーム画面の「最寄りまたは目的地に設定中のお気に入り表示欄」に表示され、距離と方向が常に更新されるようになります。目的地が設定されていない状態では、現在地から最も近いお気に入りが自動的に表示され、移動するにつれ切り替わります。特定の一点のみを追いたい場合に、目的地として設定してください。
  2. すでに目的地として設定されている場合、このボタンは「目的地から解除」ボタンとなります。また、目的地が設定されていれば、一つ前の画面、「お気に入りリスト」のオプションからも、「目的地の解除」を選ぶことが出来ます。設定されているお気に入りの詳細を開くこと無く、簡単に解除ができます。
  3. 「お気に入りの編集」:お気に入りの編集画面を開きます。名称や住所を修正したり、「住所の更新」ボタンを使用して、入力されている緯度・経度を元にマップサーバーから住所を取得することが出来ます。右上の「保存」ボタンを押せば変更が反映されます。
  4. 「マップの中心に表示」:このボタンを押すと、お気に入り地点を中心としたマップが開きます。お気に入り周辺の地図を探索したい場合に利用できます。現在の向きに関係なく、常に北を上として開きます。デバイスを振ると前の画面に戻ります。
  5. 「共有」:他のAriadne GPSユーザーとお気に入り情報を共有します。詳しくは「共有機能」の章をご覧ください。
  6. 「削除」:お気に入りを削除します。実行前に、確認画面が表示されます。

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マップ表示について

Ariadne GPSの画期的な機能の一つが、マップ探索機能です。ただ地図を表示するだけで無く、ユーザーが指で触れた箇所の住所や町名、国名などを、音声で案内してくれます。「周囲を検索」ボタンなどで地図を開き、画面にタッチすると「マップ」と読み上げた後で、ユーザーが触れた箇所の住所などを読み上げます。この機能はインターネットにあるマップサーバーを利用しますので、ネットワーク接続とマップサービスが機能していることが条件になります。この2つが動作していれば、ユーザーは住所の位置関係を推測することが出来るでしょう。ネットワークが遅いと、マップの読み込みに時間がかかる場合があります。マップが完全に表示されると効果音が鳴り、その後指での探索が出来るようになります。マップサーバーから返答を得るまでラグがありますので、指はゆっくり動かすようにしてください。
地図上で道路の確認を容易にするため、2種類の効果音があります。高めの音は道路に入ったことを表し、道路から外れると低めの音が鳴ります。また川や池、海などに触れると、水の音が鳴ります。通常のVoiceOverアクションを使用し、マップの拡大縮小や上下左右への移動が可能です。デバイスの下に紙の地図があるとイメージしてください。

  1. 表示されている地図の手前方向(下)を見たい場合は、画面の下から上に、3本指フリックします。フリックが正しく認識されれば、マップの中心が移動した事が音声で通知されます。
  2. 同様に、地図の奥方向(上)を見たい場合は、画面の上から下に、3本指フリックしてください。
  3. 地図の右側や左側を表示したい場合も同様です。
  4. 地図の拡大縮小は、上下方向に一本指フリックで行えます。下から上にフリックするとズームイン(より狭い範囲を表示)、上から下にフリックで、ズームアウト(より広範囲を表示)です。

地図のズームレベルにより、表示される情報の細かさは変わってきます。ズームインした状態では番地・号まで読み上げますし、ズームアウトすると国名・地域名を読み上げます。マップを開くにはいくつかの方法があります。以下の4通りです。

  1. ホーム画面の「周囲を検索」ボタン。このボタンを押すと、ユーザーの現在地を中心としたマップが開きます。また、デバイスのコンパスを使用し、ユーザーの向いている方向が上に来るよう、マップが回転された状態で開きます。ただしズームアウトすると紙の地図と同様、北を上として表示します。その際、紙を回転させるような効果音が鳴ります。この状態ではマップは「ロック」された状態になり、北が上として固定されます。再度ズームインすると、ロックは解除され、ユーザーの正面が上として表示されます。この時も紙を回転させるような効果音が鳴ります。
  2. ホーム画面の「地域検索」ボタン。このボタンを押すとテキスト入力フィールドが開き、表示させたい地域名を入力することが出来ます。住所や駅名などを入力し、OKボタンを押すと、検索結果が表示されます(なお番地を入力する際はハイフンで無く「1丁目2番3号」の様に入力すると引っかかりやすい様です)。検索結果をタップすると、その地点を中心としたマップが開きます。北を上として開きます。また、各検索結果の右端には「詳細情報」ボタンがあります。詳細情報ボタンを押すと、編集画面が開きます。名称を入力し右上の保存ボタンを押すと、お気に入りとして保存されます。この機能を利用すれば、現地に行かずとも、お気に入りを作成することが可能です。
  3. ただし、検索結果がユーザーの意図している場所でない可能性がありますので、ご注意ください。駅名などは比較的正確に検索されます。
  4. 「マップの中心に表示」オプション。この機能は、お気に入りの詳細画面右上にあるオプションボタンから呼び出す事が出来ます。選択すると、お気に入りを中心としたマップが開きます。北を上として開きます。

マップを閉じるには、デバイスを振ります。

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「設定」タブ

この画面では、アプリの設定を行うことが出来ます。各設定は、5つのカテゴリーに分類されています。上から順に解説していきます。

モニター

「モニター」画面では、モニター機能使用時、または「ここはどこ」ボタンを使用したときにユーザーに提供される情報を設定します。上の7つは、住所の各項目をユーザーに読み上げるかどうかを設定します。実際に読み上げられる項目は地域によって異なる可能性がありますので、ご注意ください。

  1. 街・大字:オンにすると、町名が読み上げられます。
  2. 通り:オンにすると、道路の名前が読み上げられます。(訳注:日本では丁が読み上げられます)
  3. 通り番号:オンにすると、通り番号が読み上げられます。(訳注:日本では番地・号が読み上げられます)
  4. 郵便番号:オンにすると、郵便番号が読み上げられます。
  5. 州:オンにすると、州名が読み上げられます。
  6. 市区町村:オンにすると、市区町村名が読み上げられます。(訳注:日本では都道府県名が読み上げられます)
  7. 都道府県:オンにすると、都道府県名が読み上げられます。(訳注:日本では国または地域名が読み上げられます)
  8. 問い合わせ間隔:マップサーバーへ住所の問い合わせを行う間隔を秒で設定します。モニター機能を有効にした場合にこの設定が使用されます。
  9. マップサーバーの状態:マップサーバーの状態を画面で通知するか、音声で通知するか、またはその両方を使用するかを設定します。この設定は次のバージョンで廃止される予定です。
  10. 最寄りのお気に入りに変更があった場合、VoiceOverで通知:オンにすると、移動中現在地から最も近いお気に入りが変更された際に音声で通知します。オフの場合、ユーザーがホーム画面の「最寄りまたは目的地に設定中のお気に入り表示欄」をタップする必要があります。

お気に入りの管理

「お気に入りの管理」画面では、お気に入りの通知方法などを設定します。ここでの設定は、全てのお気に入りに共通です。

  1. お気に入り到着時に音声通知:オンにすると、お気に入りから指定された範囲内に到達した際、「残りおよそ○○メートルで、××付近です」と音声で通知します。
  2. お気に入り到着時に振動する:オンにすると、お気に入りから指定された範囲内に到着した際、バイブレータで通知します。
  3. お気に入り到着サウンド:お気に入りから指定された範囲内に到着した際に鳴らす効果音を選択します。「無し」を選択する事も出来ます。効果音を選択すると再生されますので、好みのサウンドを選択してください。
  4. 到着通知を有効にする半径:到着通知を有効にする、お気に入りからの距離を設定します。20メートル以下などの小さい数字にしますと、GPS情報のズレにより通知されない可能性が高くなりますので、ご注意ください。
  5. 到着通知の繰り返し:到着通知を行う回数を設定します。繰り返しなし、3回、何度もの3つから選択します。「なし」を選択すると、通知は一度しか行われません。
  6. 通知の間隔:上の項目で通知を繰り返す設定にした際の、通知の間隔です。
  7. お気に入りの方向に向いたことを通知:デバイスをお気に入りの方向に向けた際に、音または振動で通知させる事が出来ます。なお、この機能は(停止中などで)移動の方向が検知されず、方向の検知にデバイスのコンパスを使用している場合のみ動作します。iPhoneをホームボタンが手前に来るよう縦位置で持った状態で、iPhoneがお気に入りの方向を指した場合(プラスマイナス3度以内)に通知されます。なお振動を有効にするには、OSの設定でサウンドの中にある、「バイブレーション」がオンになっている必要があります。通知を無しにすることも出来ます。
  8. クロックポジションの使用:オンにすると、お気に入りの方向がアナログ時計の文字盤に基づいたクロックポジションで通知されます。オフの場合は度数で通知されます。
  9. お気に入りの方向の検知に移動方向でなくコンパスを使用する:オンにすると、移動の方向が取得できている場合であっても、常にコンパスを使用してお気に入りの方向を判断します。詳しくは「コンパスと移動の方向について」の章をご覧ください。

マップ

「マップ」画面では、マップ表示時の挙動を設定します。

  1. マップの回転:オンにすると、デバイスの向きに応じてマップがリアルタイムで回転します。「周囲を検索」ボタンでマップを開いた場合、通常はマップを開いた時点での方向が維持され、表示中にデバイスを回転させてもマップは回転しません。このオプションをオンにすると、リアルタイムで現在の向きに追従するようになります。デバイスに負荷をかける処理なので、一部の機種では重くなる可能性があります。
  2. 詳細探査:通常(オフ)の場合、ユーザーがマップに触れると、その触れたポイントから最も近くにあるオブジェクト(住所・道路など)を読み上げます。ですので、マップ上どこをタッチしても何かしら読み上げる可能性が高くなります。このオプションをオンにすると、ユーザーが何らかのオブジェクトにピンポイントでタッチした場合のみ、読み上げが行われます。
  3. 道路上で振動する:オンにすると、道路に触れた際に振動するようになります。バイブレータを内蔵している機種でのみ使用可能です。なお振動を有効にするには、OSの設定でサウンドの中にある、「バイブレーション」がオンになっている必要があります。

デバイス

  1. バックグラウンドで動作:オンにすると、ホームボタンでアプリを終了しても、バックグラウンドで動作を続けるようになります。また、デバイスのロックボタンでスクリーンがロックされた場合も動作を続けます。バックグラウンドで位置情報の更新を行い、到着通知などがあればプッシュ通知の形でユーザーに伝えます。なおバックグラウンド動作を有効にするとバッテリーを著しく消費する可能性がありますので、ご注意ください。
  2. 音:オンの場合、全ての効果音・警告音が再生されます。オフにすると、重要で無いサウンドは再生されません。
  3. 画面ロックを許可:オンにすると、Ariadne GPS使用中、しばらく操作が無い場合にシステムが自動的にスクリーンロックを行うことを許可します。スクリーンがロックされた場合、上記「バックグラウンドで動作」がオンであれば、Ariadne GPSは動作を継続します。バックグラウンド動作がオフであれば、動作は停止されます。

単位

  1. マイル単位の使用:オンにすると、メートル法の代わりにフィート・マイル単位を使用します。

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「情報」タブ

「情報」画面は2つの表示エリアからなっています。上半分はAriadne GPSに関する最新のお知らせを表示します。下半分は免責事項および開発に関わった方々への謝辞です。免責事項はこのマニュアルの最後にも記載されています。

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より詳しい情報

コンパスと移動の方向について

角度とコンパス

ホーム画面やお気に入りリストなど、複数の箇所で、お気に入りへの方向が表示されます。この際基準となる方向には、デバイスのコンパス(デバイスの向き)を使用した物と、移動の方向との2種類があります。「デバイスの向き」は、iPhoneのホームボタンを手前に縦位置で持った状態で、デバイスの上部が指す方向を言います。
これとは別に、デバイスからお気に入り地点までを結ぶ直線があると想像してください。アプリが方向を通知する際、「○○度コンパス」と読み上げていたら、それはデバイスの向きと、デバイスからお気に入り地点までの直線の角度を表します。例えば「5キロメートル、40度コンパス左手方向」と通知された場合、現在デバイスの指している方向から、反時計回りに40度の方向、5キロメートル先に目的地があるという事です。なおこの場合「クロックポジションの使用」がオンであれば、10時方向と通知されます。
デバイスのコンパスは周囲の磁気の影響を受けます。場合によっては完全に間違った方向を示す可能性もありますので、コンパスの情報を使用する際は十分にご注意ください。これは電子コンパスの性質上、やむを得ない部分です。周囲の情報を元に、コンパスが正常かどうかを判断してください。コンパスをキャリブレーションするには、デバイスを片手で持ち、手首を回してデバイスで大きく8の字を書くように動かします。

角度と移動の方向

ユーザーが移動している場合、Ariadne GPSはデバイスの向きではなく、ユーザーの進行方向を元に、角度を計算します。この場合、方向を通知する際、例えば「30度コンパス」ではなく、「30度GPS」と読み上げられます。GPS座標の推移を元に計算された角度であることを表します。電車に乗っていると想像してください。アプリが「5キロメートル、85度GPS左手方向」と読み上げたとします。この場合、電車の進行方向を基準とし、反時計回りに85度方向に目的地があるという事です。0度であれば進行方向正面ですし、180度であれば真後ろを指します。85度はほぼ中間なので、進行方向を向いた場合、左手正面ということになります。移動の方向はデバイスのコンパスを使用しないため、コンパスの狂いを気にする必要が無く、またデバイスの向きにも影響されません(カバンの中で裏返っていても影響されません)。が、位置情報の推移を元に計算されますので、ある程度の直線を移動した場合に正しい方向が表示されます。交差点を曲がってすぐに読み上げられる方向は、交差点を曲がる前の移動方向に対しての方向である可能性が高いです。ホーム画面では移動の方向とコンパスが示す方向の両方を確認できますので、目安として使用することが出来ます。GPSを使用する関係上、GPS精度の低い場所では角度も不正確になります。また角度の性質上、お気に入りへの距離が近いほど、方向の信頼性は下がります。

移動していないのに移動していると検知される場合

GPS座標は、GPSドリフトと呼ばれる現象の影響を受けます。この現象により現在地座標(人工衛星からの電波を受信することで求められます)が不正確になるだけでなく、同じ位置に立ち止まっていたとしても、位置情報は変動してしまいます。これはGPSの限界でもあります。この為、ユーザーが移動していないにも関わらず、アプリが「移動の方向」を表示する場合があります。この際、お気に入りの方向も移動の方向を元に算出されますが、移動の方向がそもそも間違っているため、お気に入りの方向も当てになりません。移動していない状態でお気に入りの方向を求めるには、デバイスのコンパス(デバイスの向き)を使用するのが唯一の方法です。ですが、通常はデバイスが移動を検知している間は、お気に入りの方向の検出はコンパスでなくGPSを元に行われます。これを変更するためのオプションが、「設定」タブ、お気に入りの管理の中にある、「お気に入りの方向の検知に、移動方向でなくコンパスを使用する」です。この設定をオンにすると、移動の方向を検出している間も、コンパスを使用してお気に入りの方向を求めるようになります。このオプションを使用する際はデバイスの向きに注意してください。

移動の方向と警告音

移動の方向を検出した時と失った時に、それぞれ異なる警告音が鳴ります。音が鳴った際はホーム画面にある、移動の方向表示欄も内容が変わりますので、すぐに認識することが出来るでしょう。

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連絡先(英語・イタリア語)

私たちと情報交換するには以下のいくつかの方法があります。

  1. 最新の情報を得るには、Ariadne GPSのホームページhttp://www.ariadnegps.eu をご覧ください。
  2. AriadneのYouTubeチャンネルhttp://www.youtube.com/channel/UCDHEJWXrwE-C7EMxwk8Ymcg?feature=mheeでは、ビデオポッドキャストを見ることが出来ます。
  3. Ariadneユーザーのメーリングリストもあります。list-subscribe@ariadnegps.euにメールを送信すると、参加することが出来ます。ユーザー間での質問やアイデアの交換にご利用頂けます。
  4. またTwitterアカウント @ariadneGPS でも最新のニュースを配信しています。
  5. 開発者へのご連絡は info@ariadnegps.euまでメールしてください。

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免責事項

このアプリの機能はGPSの測位情報とマップサーバーからの位置情報を利用しています。
これらの情報の正確性は保証される物ではありません。特にGPS衛星の受信環境や精度の影響により数十メートルの誤差を生じる場合があります。また、状況によってはマップサーバが応答しなくなることがあります(その場合はアプリが通知します)。このアプリは使用者に有益な情報を提供するよう開発されていますが、このアプリを使用したことにより、使用者になんらかの不利益が発生したとしても作者は責任を負うことはできません。
移動の際は細心の注意を払い、自己責任にてご使用ください。このアプリケーションを使用することにより、使用者は上記免責事項に同意したものとします。

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このマニュアルについて

このマニュアルは引き続き更新される予定です。ホームページには常に最新版を掲載しています。オフライン用にダウンロードされた場合、新しい物が無いか確認するようにしてください。お読みのバージョンは1.0.2、発行日2012年9月18日のものです。

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